管楽器のような、長尺の物の内径を旋盤で加工するには、写真のように「固定触れ止め」という治具を用いて、加工物を安定させる必要があります。写真右の灰色のものがそれです。この器具は、3方向から金属の”爪”で加工物を抑える仕組みになっています。ですので、木管楽器のような物を、その爪でそのまま押さえてしまうと木部を引っ掻き、傷だらけにしてしまいます。また、運転させている内に木の表面がむしられて、固定しても結局ぶれてしまいます。この写真では、ある工夫をすることで、触れ止めを使用し、中ぐり(管の中を刃物で彫る事)ができるようにしています。この加工が出来ると、例えば、ジョイントの折れてしまったクラリネットなどを、破片を接着するだけの修理よりも頑丈に、美しく修理する事が出来ます。また、下管ソケット部を金属のソケットに改造する、なんて事も可能です。
現在、パソコンが本格的に物理的に壊れています・・・。
日曜日, 5月 11, 2008
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立派な旋盤ですね。固定振れ止めは鋳鉄製?
返信削除どんな工夫がしてあるのでしょう?
僕は自分の木工旋盤が心高が低かったので、固定振れ止めを自作するはめになりました。
爪の先にはベアリングがついているので、管体に布テープを巻いておけば傷はつきません。
コメントありがとうございます。
返信削除旋盤はマイフォードのML7という機種です。
卓上旋盤としては、そこそこの物だと思います。
おっしゃる通り、この固定振れ止めは爪の部分が真鍮製です。
>爪の先にはベアリングがついているので、管体に布テープを巻いておけば傷はつきません。
テープを貼るという手があったのですね!
私の場合は、爪と管体の間に、管を外から斜面で押さえられる形状の
リングを噛ませてあります。センター押しの逆の発想です。
弱点は摩擦熱が起こる事で、油を注しながらの作業になります。
樹脂製の楽器を扱う時は注意が必要です。
リングにベアリングを仕込めば、管体との摩擦で熱を持つこともないので、
パーツと材料があれば新たに作ろうと思っています。